のぼり旗の思い出
のぼり旗に纏わる思い出話を告白して頂きました
ガソリンスタンドののぼり
のぼりと言えば、お店や、大きなイベント会場や、お祭りなどでよく見かけられますね。普通の商店街などでもよく見かけるので、私たちの生活において見たことがない人は一人もいないのではないのでしょうか。そんなのぼりの思い出について、忘れられないことが1つあります。
大学生の頃の話です。当時、私はガソリンスタンドでアルバイトをしていたのですが、そこで一生懸命働いていました。そのお店には、「綺麗に洗える最新機種の洗車設備」と書かれたのぼりが掲げられていました。当時は、それほど無かったのですが、ワンボックスカーでも洗車できる凄いマシンがありました。私は、そのマシンの担当だったので、よくお客さんから、「本当に綺麗になるのか?」って聴かれました。私は、のぼりに書いてあるとおりで「凄く綺麗になります。」と営業していました。
しかし、ある日、「綺麗に洗える最新機種の洗車設備」と書かれたのぼりを見たお客さんの自動車を洗車したときに、ドアが半ドアになっているのを知らずに、洗車機に入れてしまいました。仕上がりを見たときに、自動車の車内が水浸しになってしまっていることに気づき、ビックリしてしまいました。お客さんに謝りに行ったのですが、凄い剣幕で怒られてしまいました。ガソリンスタンドの店長も一緒になって謝ってくれて、何とかその場は収まりました。
しばらくして、その失敗の悲しみがやっとなくなってきた頃、「綺麗に洗える最新機種の洗車設備」と書かれたのぼりが撤去されることになったのです。なぜ、撤去されるのかについては、詳しくは教えて貰えなかったのですが、どうも、私が、水浸しにしてしまった事故に原因があるようでした。あの時のお客さんが、クレームをつけたようでした。そんな大学生の頃で一番印象に残っているのが、「綺麗に洗える最新機種の洗車設備」と書かれたのぼりの思い出です。その頃から、もう随分と経ちましたが、今でもガソリンスタンドを見ると、その頃の記憶が蘇ってきます。
マンション販売ののぼり
のぼりと言えば、私は以前、マンション販売の仕事をしていたことを思い出します。
マンション販売の仕事は、マンションができるまでは、現地とは別の場所にモデルルームをたてて、そこに毎日のぼりをたててアピールしていました。のぼりは、毎日、朝モデルルームについたらすぐにたてて、帰るときにしまって帰る というパターンで利用していました。
結構大きいのぼりをたてていて、女性の私の力では、2本持つのが精一杯でした。のぼりをたてる土台に大きなのぼりを設置するのですが、風の強い日などは土台ごと倒れたりして、通行人から苦情が来たこともあります。
あと、道路沿いにものぼりをたてることで、車の中からも見えて目立つということだったので、道路のそばの電信柱などにものぼりをくくりつけていました。
毎日付け外しはしていたのですが、どうしても、太陽にあたると色あせてきて、定期的に、色があせてきたら取り換えるように気をつけていました。やっぱり、色あせているのぼりをたてていたら、イメージが悪くなって、お客様も遠のいてしまいますよね。
常に、きれいなのぼりで、お客様を受け入れる体制が万全であることを示すためにも、のぼりは大事だと思っていました。
不動産ののぼり
のぼりの思い出、それはお店の前の歩道の朝の掃除と一緒に立てるもの。当時不動産の賃貸の仕事をしていた私の毎朝の日課でした。お店のシャッターを開け、何よりもまずこの旗を立てること、それが新米である私の朝の仕事でした。もちろんお店閉めるとき、一番最後に店の中に行けるのもこののぼりです。
当時、朝のぼりを台にさして立てながらいつも思っていました。こんなひらひらの布切れ一枚、二枚で本当にお客さんがそれを見て飛び込んでくるのかどうか。立てる意味などないんではないか。よけいにお店が安っぽく見えないかどうか。と、いつも半信半疑でした。
しかし、今考えれば「のぼりを見て入ってきたんですけど」というお客様の声を何度も聞いたような記憶が頭に残っているのがはっきりとわかります。たとえひやかしでも、たぶんお客さんとしては店の看板の会社の名前よりも「賃貸」という二文字に反応していたのではないかという想像がつきます。
いつかもし自分がお店をするのなら必ずのぼりを立てるでしょうね。それは旗、国旗と一緒です。お店にとって、それが表わす国というものは、お店の名前ではなく、その内容なのですね。たとえば飲食店ならメニュー、値段、など。お客さんが興味があるのはそれだけ、つまり内容こそが国の名前、マークになっているわけです。と、この文章を書きながら改めてのぼりの大切さを納得してしまいました。
のぼりのなつかしい思い出
のぼりといえば、私の人生のうちでもっともよく働いていた時期を思い出します。もう、15年くらい前になるでしょうか?勤めていた会社が、取次店各お店にのぼりを設置していたので、私も時々、取り替えや設置に行かされました。
母子家庭でしたので、慣れない仕事にも弱音を吐くわけにもいかず、自分ながらよく頑張ったと思います。初めは、慣れないので、のぼりの長い棒や、風になびくのぼりに手こずりましたが、だんだん慣れてこつも覚えてきました。取り付けの時間も早くできるようになってきました。
それでも、古いのぼりを交換するときは、すごくいやでした。ほこりがすごく、手がひどく汚れるのです。ですから、軍手は必需品でした。ほこりが舞い散るので、マスクもほしいくらいでしたが、さすがにマスクは常備していませんでした。
もっとつらかったのは、寒い日や雨の日です。冬より、夏が好きな私は、暑いのはあまり気になりませんが、寒いのは本当につらかったです。寒い日ののぼりの交換は、手がかじかんでしまうし、時間がかかれば体も冷えてくるし、もう今では、できないなと思います。
それでもがんばれたのは、やっぱり子供がいたから。子供も家で寂しい思いをしながらも我慢して待っていてくれる、そうおもえば、つらいのぼりの交換や設置もがんばれました。
お店の人にとっても、きれいなのぼりは気持ちが良かったと思います。遠くからでもよく見えますからね。私も店番をさせていただいたことありますが、風になびいてお店の雰囲気を出していたと思います。ただ、嵐の日には、慌てて中にしまったこともあります。倒れると危ないですからね。
ほこりだらけののぼりも今では、なつかしい思い出です。
のぼりのある風景
のぼりのある風景は道路際でよく見かける。たいていは、店屋の店頭に飾られているのだが、自動車で、目的の店に行く時はちょっと便利な目印になる。ただそれだけを目当てにすると、しばしば失敗することがある。結構似た様なものがあって、間違えることがある。
以前、5月のころで、ファミリーレストランに家族で食事しに行くつもりだったのだが、初めて行く場所だったので、不安があって、店屋に電話で目印を聞くと、「鯉のぼり」ののぼりがあるからそれを目印にするとよい」と教えてくれた。それをたよりに、色々と道に迷いながら、それらしき場所にやっとたどりついた。
で、その辺りを車でうろうろしたのだが、なかなか、それらしき店がみつからない。鯉のぼりののぼりもない。あっちにいったり、こっちにいったりかなり迷ったのだが、よくわからない。目を皿のようにして、必死で探すと、家人が「あすこだ」と、突然叫び出したので、彼女の言うとおりに、右に曲がり、左に曲がり、よく分からない道を車を走らせた。
すると、確かに「鯉のぼり」ののぼりが見えてきた。さっそく、そこを目指すと、ちょっと狭いが、駐車場があったので、ほっとして、そこに車を止めた。全員が車を降りて、最後に私が車を降りたのだが、様子を見ると、みんな呆然としている。
それも道理で、そこは単なる民家で、確かに「鯉のぼり」ののぼりはあるのだが、店屋さんではまったくなかった。そのうち、気配を察したのか、その家の人が出てきて、「どなたさまですか」と聞いてくるので、しどろもどろで、あやまって、「こういう事情で、店屋を探している」と言うと、その店なら知っていると、場所を丁寧に教えてくれた。あの時は、今でも冷や汗ものだった。